フリーランスの課題「営業」を見直そう
営業が仕事を取ってきてくれる一般的な企業とは違って、フリーランスは自ら仕事を取りに行くのが基本です。自分で営業するにせよ、誰かに任せるにせよ、売り込むのは自分とその商品ですから、自ら営業意識を高めることが重要です。
今回は、フリーランスにとって課題になりがちな営業のポイントと、さまざまな営業方法について紹介します。
フリーランスの営業で課題になりがちなこと
自ら営業に回る時間が取れない
営業のことを考える間もなく目の前の仕事に追われてしまい、やっとひと段落ついた時には次の仕事がまったくない……というのでは、稼働も収入も安定しません。とはいえ、タイムマネジメントを見直すだけでは追いつかないケースがあるのも確かです。
実績がないので受注につながらない
現在の事業での実績がまだないとなると、営業先もあなたのスキルを測りかねますから、発注に至らないのも無理はありません。クリエイティブ職なら自主制作の作品を見てもらう方法もありますが、やはり「仕事」としてやり遂げた実績の方が評価されやすいのは否めません。
営業するべき相手が見つからない
それまでに得た業界知識・人脈を使えない場合や、新業種で一から開業する場合、自分のスキルを欲しがっている営業先の見当がつかないこともあるでしょう。当てずっぽうで飛び込み営業を繰り返すようなやり方は、よい方法とは言えません。
営業をかけても継続的な付き合いにならない
営業の面談では好印象だったけれど、「何かあったらお願いします」の後はなしのつぶて……というのもよくあるケースです。かといって、頻繁に顔を出そうとするのも善し悪し。営業先の負担にならない程度に、細く長くお付き合いを続けていくには、どうすればいいのでしょうか。
営業を発展させる人脈が足りない
「自分の売り込みだけしたがる」人より「営業先の利益になる情報や人脈をお土産に持ってくる」人の方が歓迎されるのは自明のこと。ただそのような営業には、ビジネスに役立てられる情報収集や、幅広い分野にわたる人脈が必要です。
課題点に合わせたフリーランスの営業方法とは?
自ら営業に回る時間が取れない→エージェントを利用する
営業を代行し、案件を紹介してくれるエージェントは、時間のないフリーランスにとってありがたい存在です。しかも、自分で営業するより幅広い可能性や選択肢が期待できます。ただし、あまりえり好みをすると「紹介できる案件がない」ということになりかねません。エージェントが営業しやすいようなサービス資料やトークスクリプトの準備、ターゲット層の共有などが必要です。
実績がないので受注につながらない→クラウドソーシングを利用する
駆け出しのフリーランスにとって、実績なしでも応募可能な案件があるクラウドソーシングは、実績作りをするのに便利です。案件を選ぶ際も、報酬やスケジュールだけでなく、その後の営業でアピールに使いやすい内容かどうかを検討材料にしておきたいところです。
営業するべき相手が見つからない→展示会・見本市でアピール
クリエイターや技術者を対象とした展示会や見本市に出展し、実績や作品などを展示します。クリエイターや技術者を探して来場する企業担当者などに資料を配り名刺を交換して、後日連絡し、営業のアポにつなげるのです。
営業をかけても継続的な付き合いにならない→SNSでアピールする
クリエイティブ系職種の場合は、SNSも有効な営業ツールのひとつです。仕事の実績をリアルタイムで発信するのはもちろん、サンプルとして作品を公開するといった使い方もできます。営業先に紹介し、フォローしてもらえればもうけものです。実際に、SNSで公開していた作品が広告制作会社の目に留まり、仕事の依頼につながったケースもあります。
営業を発展させる人脈が足りない→セミナー・コミュニティへ参加する
起業家や投資家が集まるビジネスセミナーに参加したり、経営者同士のコミュニティに参加したりすることで人脈を広げていきます。すぐに受注につながる営業方法ではありませんが、交流を深めていくことで、直接会った人でなくてもその知り合いを紹介してもらえたり、事業内容に対して意見をもらえたりと、長期的に見るとさまざまなメリットがあります。
ただし、こうしたコミュニティの中には、人を集めて会費で儲けを出すことを目的としていたり、強引な勧誘を行う業者などが潜んでいたりするケースもあります。参加資格はどのようになっているか、主催者は信頼できるかなども吟味しましょう。
SENQでは、入居会員のビジネスをサポートするイベント、施設のテーマに即したイベントを随時開催しているため、オフィスにいながら、気になったセミナーやイベントに参加してみることが可能です。
自分に合った営業方法や営業先を見極めて
フリーランスの営業は数打つことも重要ですが、ある程度、営業先を見極めておかないと、なかなか受注に至らなかったり、逆に不要な営業・勧誘をされたりするリスクが伴います。
自分に合った営業方法や営業先を見極めて、信頼できる取引先を増やしていきましょう。
(ライター:丸田カヨコ)