【SENQ Social Edge Time #4開催報告】~SENQの縁側から生まれる新たな交流~ 「ワーケーション・余暇が働く人に与える影響 ~働き方改革から休み方改革へ~」

Social Edge Time

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中央官庁街に隣接し、官民連携をテーマに掲げるSENQ霞が関と、内閣府・国家戦略特別区域会議の下に設置されたTECC(東京圏雇用労働相談センター)が、去る122日にオンラインイベント「SENQ Social Edge Time」を共催しました。テーマは「変わる日本のワークスタイル」。全4回で構成されており、今回はその1回目となるランチセミナーです。講師に、SENQ霞が関の入居者でもある株式会社休日デザイン研究所 代表取締役 鈴木潤士氏を迎え、話題の「ワーケーション」をテーマにレクチャーが行われました。

講師:    株式会社休日デザイン研究所 代表取締役    鈴木 潤士 様
進行:    TECC     事務局   

1.ワーケーションについて

鈴木様はJTBのハウスエージェンシーであるJTBコミュニケーションデザインご出身。在籍当時、JTBグループの新規事業公募制度に「休日の行動データを元にしたマーケティング事業」で応募、社長承認を得たことをきっかけに独立を志しました。現在は「休日に人を動かす」をミッションとし、休み方にフォーカスしたビジネスを展開する休日デザイン研究所の代表として活躍されています。

今回は「本日のゴール」として、「従業員の休み方が仕事にどのように関わっているのか?その理解を深め、自社課題への気づきを得ていただくこと」という目標が示されました。

画像2-png-1このゴールを目指し、まずは「ワーケーション」についての解説が行われます。

ワーケーションの起源は「休暇中もある程度仕事をする前提でとられるバケーション」。場所に囚われず、休暇先で仕事と休暇を組み合わせて取り組むことをいいます。

先行しているイメージのように、休暇の過ごし方はリゾート地への長期滞在などに限られるものではなく、図のように働く人が柔軟に仕事と休暇を組み合わせることができるのです。

画像3-2休み方の分類や勤務の取り扱いなどについても、さまざまな種類があることがわかりました。経営者にとっては、ワーケーションを見越した制度設計も課題になってきます。

画像4-png画像5-png

 

2.休み方が仕事に及ぼす影響

続いて鈴木様から「休み方が仕事に及ぼす影響」というトピックスが提示されました。まず示されたのはテレワークのメリット・デメリット。働き方が急激にシフトした2020年、業種や会社にもよりますが、ここに挙げられた内容を実感した方は多かったのではないでしょうか。

休みが仕事に及ぼす影響そしてテレワークのメリット・デメリットを基に「ワーケーションに期待できる効果や、課題となる点」についても示されます。ワーケーションを実施するための社内の課題に加えて、ワーケーションを受け入れる社外の体制も鑑みると、ワーケーション定着には長い目が必要だということが見えてきます。

休みが仕事に及ぼす影響さらに示されたのが「ワーケーションの導入」に関する、企業の具体的な課題です。導入する前に検証すべき制度設計と休み方、双方の課題についても考えさせられます。それぞれ、企業側、従業員側の視点から課題が挙げられました。

休みが仕事に及ぼす影響「企業視点で必要なポイント」というと、つい労務管理やルール策定ばかりをイメージしてしまいますが、確かに「会社の方針・目的の明確化」がなければ、こうした仕組み作りもブレてしまうでしょう。休みが仕事に及ぼす影響

続いて、企業への調査から浮き彫りになった「従業員視点で見落とされがちなポイント」の数々が並びます。労働環境が変わらない、働き方改革がうまく行っていないという実感の裏には、企業側が能動的でない取り組みに終始するがゆえの、未だ実効性に乏しい改革の様子も垣間見えます。

休みが仕事に及ぼす影響

ここで、ワーケーションを考える上での重要な資料として登場したのが、休日デザイン研究所も事務局を務めた「休日分散化プロジェクト」の実証実験結果。

GWの休日を分散させれば、交通や宿泊など、旅行に関する需要を平準化でき、また混雑を避けられる快適さから観光需要も喚起するだろうという取り組みです。

休みが仕事に及ぼす影響実証実験の結果、従業員の満足度は期待を超えるものとなりました。休日を分散する、つまり「他の従業員が勤務している期間に休暇を取りやすくする」ための手段として、また従業員のニーズを満たす休み方としてのワーケーションにも有効性が感じられます。

休みが仕事に及ぼす影響

また、「満足度の高い休み方が仕事に及ぼす影響」を示す資料として、新社会人への調査結果を基にした分析も示されます。企業が従業員のニーズに合う休み方を提供し、満足度を高められるかは、従業員の仕事へのモチベーションにも大きく関わっているのです。

休みが仕事に及ぼす影響

ここまでに洗い出された課題や分析資料などから、あらためてワーケーションに向き合う企業がクリアするべきポイントをチェックします。よりよく休み、生産性につながるワーケーションは、やみくもに制度を設けるだけでは成立しないことがわかります。

休みが仕事に及ぼす影響

 

3.「休み方改革」で解決する企業課題

最後に提示されたのが、働き方改革ではなく「休み方改革」という逆転の発想と、それによって解決される企業課題の数々です。休みベースの働き方であるワーケーションこそ、休み方にまつわる多様な価値観を尊重するというわけです。

「休み方改革」で解決する企業課題

休み方改革を実践するための課題とその解決策についても、詳しく解説が行われます。休み方の効果測定を取り入れた制度設計、従業員や部署の現在の休み方を可視化する定量調査、休み方を共有し理解を深めるワークショップなど、休日デザイン研究所が手掛けるソリューションは、従来に例を見ない斬新なものばかりです。

「休み方改革」で解決する企業課題

最後のまとめとして、ワーケーションを取り巻く現状の課題と課題解決に向けた取り組み方が提示されました。ワーケーションを有効活用するために考えるべき重要なポイントです。まとめ

福利厚生的イメージが先行しがちな「ワーケーション」。レクチャーを受け、「従業員の休み方が仕事にどのように関わっているのか」への理解が進むと、実は事業を成長させるための攻めの取り組みであることも見えてきました。自社の課題に従業員視点で向き合い、企業と従業員双方に大きなメリットのあるワーケーションを実現させたいものです。

今回ご登壇された株式会社休日デザイン研究所の事業や研究内容について、より深く知りたい方はこちらのインタビュー記事から。

 


(ライター:丸田カヨコ)

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