「スタートアップと大企業をつなぐ場づくり」SENQが実現する理想の形

SENQ霞が関 / コーディネーター
SENQ霞が関

SAC

  • Linkedin
  • facebook
  • LINE
  • Twitter
  • ロゴ:はてなブック
  • Pocket

各省庁が集まる霞が関。その中に位置し、オープンイノベーションの加速を目標に掲げるSENQ霞が関のイベントにはベンチャー企業のほか、大企業や各省庁の官僚たちも集まり、今までになかった化学反応が生まれています。その理由はロケーションだけではないようです。

今回は、SENQのパブリックパートナーである経済産業省 新規事業調整官の石井芳明さんに、「ベンチャー支援の現在と未来」、そして「SENQの魅力」を伺いました。


大企業もスタートアップもwin-win ベンチャー支援の可能性

DSCF0030


――石井さんが経済産業省で担当されている仕事についてお聞かせください。

石井:スタートアップを応援するのが仕事ですね。新しい雇用をつくったり、イノベーションを起こして暮らしを豊かにしたりしようとするときに、スタートアップは重要なプレーヤーになるので、彼らが活躍できるように補助金や融資、出資などの資金面をサポートしています。

また、イノベーションを起こすためには、大企業とも連携してエコシステムをつくる必要があるので、大企業とスタートアップを結びつける機会も提供しています。大企業がスタートアップを支援することで、スタートアップにメリットがあるのはもちろん、大企業も自前主義の限界を感じていて、外部と連携したいと考えている会社が多いのでwin-winなんですよ。スタートアップへの直接支援とエコシステム(環境)整備の2つが主な仕事です。


――お話を伺っていると良いことづくめで、すぐにでも理想的な環境が整いそうですが、日本のベンチャー支援の難しさはどんなところにあるのでしょう?

石井:1番大きな問題は、日本で新しく事業を起こす人の割合がまだ5%にとどまっていることです。経産省のアンケートによると、起業に興味がある人が全体の3割しかいなかったことにもそのことが顕著に表れていますよね。その理由は「親ブロック」や「嫁ブロック・旦那ブロック」と言われる両親や家族からの反対、つまり起業する文化が日本に根付いていないことなんです。起業を名誉なものや身近なものと思ってもらえるように「ベンチャー大賞」という表彰制度を設けたり、小学生のころから授業の中で実際に会社を立てる「子ども会社」を導入したりしていますが、文化が浸透するまでにはある程度長い時間が必要になりそうです。


SENQには化学反応が起きる要素が揃っている

20170706担当者連絡会議


――石井さんはSENQをどのように利用されていますか?

石井:大企業と自治体、スタートアップをつなぐイベントを開催するときに利用させてもらっています。先日は地方自治体が運営する「エンジェル税制」の説明会を開催しました。スタートアップに投資した際、税が優遇される制度なので、スタートアップやスタートアップを応援する人たちを呼んだんです。いつもは役所の会議室で堅い雰囲気でやるんですが、SENQはオープンな雰囲気なので、スタートアップの人たちも気軽に呼べますし、役所のお堅い人たちも少し柔らかい雰囲気になっていました。普段はお堅い県庁の担当者が、「スタートアップの話をもっとしてみたいと思うようになった」と前のめりに言っていたのには手ごたえを感じましたね。



――そうした変化は、"場の力"によるところが大きいのでしょうか?

石井:場の雰囲気がコミュニティや人のつながりに及ぼす影響はやはり大きいと思います。たとえば「次官若手プロジェクト」は以前から人気のコンテンツだったんですが、SENQで開催することによって、客層も広がっていると思います。もう一つ良いところと言えば、各省庁から近いことですね。直接顔を合わせるのはとても大切なことなので、ちょっとした打ち合わせにも気軽に役人を誘えるロケーションは新たな化学反応を生む1つの要素だと思います。ちょっとした顔合わせがプロジェクトに発展した事例はすでにけっこうあるんじゃないかな。


霞が関の中心で、日本のスタートアップをグローバルに展開したい

DSCF0178


――今後、SENQでやってみたい企画やイベントはありますか?

石井:日本のスタートアップのグローバルな展開を応援するイベントを開催したいです。霞が関には経産省のほかにも日本屈指の経済アイコンがたくさんあるので、「ここが霞が関の中心ですよ」なんて言いながらプレゼンをしてみたいですね。霞が関で海外の方向けのイベントをおこなうこと自体に意義もありますし、グローバル企業や投資家に日本のベンチャー支援に参画していただきたいと思っています。


――最後に、石井さんが思い描くベンチャー支援の未来について教えてください。

石井:エコシステムが自動的に回っていく状態になることが理想ですね。そのためには初めにお話ししたように、社会全体としてスタートアップをリスペクトする文化があって、その中でたくさんのスタートアップが生まれ、大企業と連携をしていく。この1つ1つの過程を強化していきたいですね。僕らがやるべき仕事のベースは「人と人や、人と知識を繋ぐ」ことなので、SENQさんという場所をうまく使って、理想的なエコシステムを実現していきたいと思います。



おわりに
最後に「SENQで生まれた出会いやプロジェクトの中のいくつかが、その後も語り継がれる伝説になる日が来るかもしれないですね」と話してくれた石井さん。

各省庁から徒歩ですぐに来られる"ロケーション"、オープンな雰囲気の"場"、そしてやりたいことがある"人"など、化学反応が起きやすい場づくりに成功しているSENQ霞が関。

今日もまた、未来の伝説になるかもしれない出会いが、霞が関の中心で生まれています。


❖ 関連団体・記事
     経済産業省http://www.meti.go.jp/

 

関連記事

【SENQ霞が関マネージャーインタビュー 前編】「官民連携」で新しい日本の形が生まれていく。SENQ霞が関はそういう「場」でありたい
2020.02.01
「起業しないこと」だけは決めていた。バリキャリ女子がハンドメイド業界を席巻する起業家になったわけ。
2018.09.20
ヘルスリテラシーは「健康を決める力」。女性自身や周囲の人々が正しく理解することで、いろいろな人が生きやすい社会になる
2021.07.28
働き方・休み方は、もっと多様であっていい!本当の意味での休み方とは?
2020.04.22

最新記事

ヘルスリテラシーは「健康を決める力」。女性自身や周囲の人々が正しく理解することで、いろいろな人が生きやすい社会になる
2021.07.28
動画のメリットを活かして、豊かな生活を実現する。紆余曲折の経歴で得た、世の中を変えるヒントとは
2021.03.03
働き方・休み方は、もっと多様であっていい!本当の意味での休み方とは?
2020.04.22
「官民の情熱の交差点」で最強の掛け算を――官民の翻訳者・株式会社PublinkがSENQ霞が関で目指すもの
2020.03.14

人気記事ランキング

世界中のハイブランドが頼りにする老舗“中綿”ブランドThermore社。エコと扱いやすさを追求するThermore社から見た世の中のトレンドとは。
2018.12.18
社員の増減が発生したら? SENQの借り換えでフィットするプランを見つけよう
2023.03.22
共同研究を重ね、時間をかけてお互いを知り合った上での資本提携だったからこそ、期待はあれど不安はなかった
2021.07.28
【SENQ霞が関マネージャーインタビュー 前編】「官民連携」で新しい日本の形が生まれていく。SENQ霞が関はそういう「場」でありたい
2020.02.01
  • 目的から探す
  • オフィス見学
  • お問い合わせ