EVENT
2020.03.13

【Gateway for the revival Japan#1開催報告】  第1回 デジタル社会の未来を描くワークショップ -テクノロジー×通商ルールから考える日本のあり方-

「LEAD JAPAN」をコンセプトに掲げ、官民連携を軸に次世代の日本を牽引せんとする企業が集まるコワーキングスペースSENQ霞が関。2月19日、「デジタル社会の未来を描くワークショップ-テクノロジー×通商ルールから考える日本のあり方-」と題し、経済産業省、外務省、内閣府などの省庁やデジタル関係企業を招いた合同ディスカッション施行などデータの扱いに関する規制が進む中国を題材に、「テクノロジー×通商ルールから考える日本のあり方」の検討がなされました。


ーープログラム

1.キックオフ
 ①【経経産業省】テーマ詳細、出口ツールについて
 ②【全体】質疑応答
2.ワークショップ・ディスカッション
3.発表
4.統括・次回に向けて
5.交流会

 登壇者   :経済産業省 課長補佐 高橋拓磨 様
        株式会社Publink 代表取締役社長  栫井誠一郎 様
 モデレーター:株式会社Publink コーディネーター 深山周作 様
 参加者   :デジタル関係企業、経済産業省、外務省、内閣府など(完全招待制)


ーデジタル保護主義に技術とルールはどう立ち向かうか

本イベントの第1回のテーマは、「中国」です。日本と中国の関係を想定し、サイバーセキュリティ法の施行などデータの扱いに関する規制に対して日本はどう対応していくのか、「技術」と「ルール」を手段としてどう活用できるかを、参加者全員で議論していきました。

今回のイベント開催のきっかけのひとつとして、変化の激しいデジタル分野において官と民が対話による新しいガバナンス形成プロセスの必要性を感じているということがあるそうです。

デジタル分野では、2019年1月23日に行われた「ダボス会議」で安倍首相が提言した「DFFT=Data Free Flow with Trust」のような国際的なデータ流通が重要視されているそうですが、今後の政府の次なる打ち手に期待がかかっています。

変化の激しいデジタル分野の中で、国際的なルールや技術といった多面的な視点で日本が国際競争力を向上するための施策を官と民でフラットに議論・検討し、政策提言など具体的アウトプットに繋げる場にすることを目指しているとのことです。

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写真:高橋拓磨 様

キックオフでは経済産業省の高橋様から、政府としてデジタルデータの扱いをどう考えているのか、データ流通をめぐる国際状況、法律や規制の面でどんなことが行われているかの大局観の部分、また、今回のテーマに絡めて、世界からみた中国のデジタル戦略、サイバーセキュリティ法などの施行によって生じうる課題など、ディスカッションの材料となる知見をシェアしていただきました。

ーーガバナンスの形成プロセスに新しいモデルを創る

ここでPublinkの深山様より、イベントの裏テーマが発表されました。デジタル社会において、既存のガバナンス形成プロセス自体が瓦解してきているという課題感のもと、裏テーマとして「ガバナンスの形成プロセスに新しいモデルを創る」ことに挑戦したい、というものです。

参考)「GOVERNANCE INNOVATION: Society5.0の時代における法とアーキテクチャのリ・デザイン」報告書(出典:経産省公式サイト)

「既存のガバナンス手法の中心は国家・政府中心のルールをベースとしており、この手法は社会構造が静的で、あらかじめどんな行動・事象が起きるかが予測可能な世の中においては有効であったといえます。しかしデジタル社会の到来によって、社会構造は非常に動的になり、事前の行為義務設定が困難です。また、デジタルやテクノロジーは民間側主導で進んでいるため、ルール設定に必要な情報は、政府よりもむしろ民間に蓄積していると考えられるでしょう。
実際に、ガバナンスそのものの見直しを考える機運が非常に高まっています。新しいガバナンスモデルには、政府、企業、コミュニティ・個人、当事者が対話する、新しい関係性が重要と考え、このイベントが設定されました。この場では、これからのデジタル社会について、フラットな対話で、出口を模索することが期待されます」と深山さんは話されました。

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ーーワークショップではスピード感のある活発な議論が

いよいよワークショップです。法(官僚・弁護士)、市場(事業者)、アーキテクチャー・コード(技術者)、社会規範(国民、コミュニティ所属者)の異なる4つのタイプの方々が分散し、1テーブル6名前後でディスカッションが進められました。

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DSC_0105まずは各班で、以下の3つのケースからひとつ選びます。
ケース1:攻め領域(日本企業・自社が中国市場へ進出する)
ケース2:守り領域(中国企業が日本市場へ進出、もしくは自社と競合する)
ケース3:協調領域(日本企業・自社と中国企業の連携)

その後、選んだケースにおいてはどんな事業が考えられるかを洗い出し、さらに起きうる事象をポジティブ・ネガティブ両面から洗い出します。最後はマトリクスを使いながらメ
リデメの影響力を考察。影響度が高いメリットを最大化、デメリットを最小化する手段を考えていくのが大まかな流れです。

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短い時間のなか、テーブルごとで互いに聞き手となり話し手となって、スピード感のある白熱した議論が行われました。総括時に高橋様が「ヒアリングのために経済産業省にきていただく場合とは違って、話の中身も参加者の表情も豊か。この進め方をすることで新しい発見があった」と話されていましたが、この場にいた誰もが同じように感じたことでしょう。



ーー各班の発表、反響の大きかったグループトークは

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およそ30分のディスカッションの後、5つの班それぞれが前に出て3分の発表を行いました。なかでも特に参加者投票で反響のあった内容は、ブロックチェーンを例に、国と国ではない、国境を想定しない技術で攻め込むというアイデアでした。

「ブロックチェーンを使えば国は関係なく、個人と個人でコネクトできて、個人間で取引できる。その様な新しいサービスの分野で日本が攻めこんでいけばよいのではないかという案が出ました。単純に個人のニーズに訴えかける手法という。ガバナンスの話も絡みますが、国と国の話とはまた別のアプローチで、技術で攻め込むというのもあるのではないかと」(ALIS CMO 水澤様)

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高橋様は総括として、「お話頂いたブロックチェーン技術への期待のように、国や国境を無視するサービスが生まれるというのは、すごくおもしろい。良い意味でガバナンスのきかない新しいサービス創出と、その世界展開を日本がリードできたらなと思います。一方でルールが全くないことは想定されないので、そのルールをどういうふうに作ったらいいのか、ここに将来のガバナンスとしてあるべき姿が隠されている気がする」と話されました。

 

ーーこれから

予定の2時間を少し過ぎて、内容の濃い活発なやり取りで第1回を終えました。今回は中国を題材として進めましたが、他の国でもまた別の視点が生まれそうです。このシリーズでは、今回のディスカッションの反応を持ち帰り、次回へとつなげていきます。勉強会形式や、もっと少数に絞ったり、個別に経済産業省有志チームとミーティングをしたり、分科会も考えられそうです。

 

❖ 主催者・登壇者 ❖
 経済産業省 課長補佐 高橋拓磨様      :https://www.meti.go.jp/index.html
 株式会社Publink 代表取締役社長 栫井誠一郎様:https://publink.biz/



≪SENQ霞が関について≫
SENQは、「先駆」に由来し、時代の先駆けとなるイノベーターたちを応援するブランドです。様々な分野の先駆者が集まり出会いや繋がりをつくることで、協業・共創を生み出すための日本土地建物のオープンイノベーションオフィスです。
「LEAD JAPAN」をテーマとしたSENQ霞が関では、官公庁・自治体等の公的機関の提供価値(地域課題や実証フィールド)と、企業等の提供価値(アイデア、テクノロジー等)をつなぎ、新たなビジネスの創出や社会と地域の課題解決を官民がともに目指す取組みを今後も行ってまいります。

≪Gateway for the revival Japanについて≫
中央官庁に隣接するSENQ霞が関では、官民連携のアイデアが集まり形を成して全国に展開していく「Social Innovation創出の登龍門」となるべく、Gateway for the revival Japanをコンセプトに、官民共創イベントを開催してまいります。イベント内容は随時ご報告いたします。


(ライター:ときよし)

SENQ霞が関マネージャーインタビュー

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