SENQ事業共創対談~事業共創は、担当者同士の熱量が推進力につながる~

インタビュー / 共創事例 / 入居者の声

SAC

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多種多様な企業が入居しているSENQでは、入居者同士がいわゆる「ご近所さん」として親しくなるだけではなく、企業や自治体がマッチングし、事業共創へと発展するケースが少なくありません。
この記事では、SENQで出会い、事業共創に至ったクラフトシップス株式会社 CEO 森川義仁さん(画像左)と堺市東京事務所 松本慎太郎さん(画像右)による対談をお送りします。

伝統と革新が織りなす「堺」クラフトの魅力を体験するイベント

SENQ青山に入居されているクラフトシップス株式会社さまは、日本の職人技術を活かした商品が作れる「ものづくりプラットフォーム(CraftShips)」の運営を手掛けている会社です。CEOである森川義仁さまと、SENQのアライアンスコーディネーターである大阪府 堺市東京事務所の松本慎太郎さまはSENQで出会い、やがてイベント「伝統と革新が織りなす『堺』クラフト‐堺打刃物×瀬戸焼-」(202431日~31日)を開催するに至りました。

今回は、森川さまと松本さま、お2人の対談をお送りします。

松本さま:大阪府 堺市は仁徳天皇陵古墳をはじめ、多くの歴史史料がある街です。戦国時代から江戸時代にかけては鉄砲の一大産地であり、20243月には江戸時代の「鉄炮鍛冶屋敷(町家歴史館井上関右衛門家住宅)」が歴史館としてオープンしています。私は東京都に駐在しながら、こうした堺市の魅力を首都圏の方に知っていただくためのプロモーション業務や、今回のように官民連携での事業共創などの取り組みを担当しています。

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森川さま:私たちクラフトシップス株式会社の「ものづくりプラットフォーム(CraftShips)」は、主にブランド立ち上げや商品企画・制作などを考えている企業・個人からご依頼をいただき、弊社提携の職人技術を持つ作り手(職人、作家、クリエイター、工場)と協働し、大量生産では出せない職人技術を活かしたものづくりのサポートをしています。 

今回のイベントは、堺市の株式会社山脇刃物製作所さまを弊社がサポートしながら開発した新商品「ORIBE庖丁(ORIBE KNIFE)」の発表会でもありました。 ORIBE庖丁は、山脇刃物製作所が作っている堺打刃物と、愛知県瀬戸市の瀬戸焼とのコラボレーションによる商品です。職人が1本ずつ手作りする打刃物に、今年の干支である辰をモチーフにした焼き物の柄(え)がつけられています。

織部刃物

イベントでは、テーマとなっている堺打刃物と瀬戸焼の「掛け算によるものづくり」の背景などを展示でご紹介し、 併せて山脇刃物製作所さまの包丁をはじめとする堺市の特産品の販売も行われました。また会期中に、山脇刃物製作所さまの包丁の使い心地を調理しながら体験していただくワークショップ「堺打刃物で作るOVEベジバーガー」も開催しました。

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松本さま:イベント会場の南青山にある「Life Creation Space OVE」は、堺市に本社を構える自転車と釣り具で有名なスポーツメーカー、シマノさまが運営する自転車をテーマにしたカフェです。
堺市には多くの大型古墳がありますが、これを建造するにあたって鍬(くわ)や鋤(すき)を作る金属加工の技術が伝わり、それがやがて包丁になり、鉄砲になり、自転車になり……という歴史があります。つまりシマノさまも、イベントのテーマである「『堺』クラフト」でつながっている企業なのです。

SENQでの出会いが「堺打刃物の良さをどう伝えていくか」につながることに

松本さま:堺市の特産である「堺打刃物」は、刃物製品の中でもかなり高価な品です。もちろん、品質が優れているからこそなのですが、その「良さ」をどう伝えればいいのかには難しさを感じていました。森川さんと出会って、まず「この刃物はどのように作られているのか」という背景に触れていただく、そして「実際に使ってみていただく」というやり方が見えてきました。

森川さま:山脇刃物製作所さまとは以前からの知り合いで、包丁業界の抱える課題として、包丁の柄に使う木材の不足があるということも耳にしていました。昨今海外からの需要が高まっていることも踏まえ「木以外の素材の柄をつけた包丁を開発したい」という思いが、ORIBE庖丁のプロジェクトを始めるきっかけになりました。
ただ、陶器の柄をつけた包丁は一般的ではないですから、「どんな形状にするか」や「包丁としての機能をどう担保するか」といった課題がいくつも出てきました。
例えば、包丁に柄をつける「柄付け」がしっかりしていることは、使い勝手や安全性に関わる重要なポイントです。木製の柄の場合は、刀身を焼き付けてから差し込むことで柄の内側の形状が刀身に合わせて変わり、きれいにはまるようになっている。これが陶器の柄の場合だと、内側の形状を変えることができないので、あらかじめ寸分の狂いもない穴を作っておかなければならないのです。

スケジュールを踏まえると、サンプル製作は1回にとどめたかったのですが、3回ほど作ってようやく製品化できる形になりました。あの時は、陶器で正確な形を作る技術、刀身を柄付けする技術、双方の技術が結晶することで完成したのだと身にしみて感じましたし、やりがいがありました。
こうして課題を一つひとつ解決し、ようやくデザイン・機能性・サステナビリティを兼ね備えたORIBE庖丁ができました。辰のモチーフは複雑にうねっていて一見特殊な感じがしますが、実際に握ってみると手になじむ形状で、握りやすいんですよ。

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お互いの熱量ややりたいことがわかっていたからこそ、いざという時にすぐ動けた

森川さま:松本さんとは、SENQ六本木のイベントで初めてお会いしました。テラス席で餃子を焼きながら食べるという和気あいあいとした席でしたが、第一印象からすでに内に秘めた熱意が感じられたので、「一緒に何かやりましょう」と持ち掛け、オンラインでの打ち合わせを設定して、話を進めていきました。

松本さま:こちらも「熱意のある人だ」というのが第一印象でした。確かに伝統産業に関わっていらっしゃるので、堺市とは親和性が高そうだとも感じましたが……なにより事業共創は、技術やアイディアといったいわゆる「持ち札」よりも、担当者同士の熱量が推進力につながってくると思っていますので。
話を進めるといってもすぐ何かの事業に着手したわけではなく、しばらくはゆるやかにつながっているという状況でした。しかしある時、堺市で森川さんとの事業にぴったりの補助金制度が始まりまして。これも、ゆるやかにつながっていたからこそ、タイミングを逃さず話を進められたと感じています。

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森川さま:ほぼ毎週、SNS で頻繁にやり取りをして、飲みにも行って、やろうとしていることを熱く語って……という段階を経たからこそ、お互いの本当にやりたいことが伝わった気がします。
そして松本さんがイベントを実施するためのプロセスをサポートしてくださったり、メディア露出の際に山脇刃物製作所さまを紹介してくださったりしたからこそ、その間、私たちはものづくりに注力できた。いい形で共創できたのではないかと思います。

松本さま:私たちは、PRなどの、要領がわかっている「得意なこと」を提供したわけですが、一方で森川さんは「0から1を生み出す作業」、しかもこのイベントの肝になる部分を手掛けていたわけですから、大変だったと思います。試作品などを携えては堺市へ行き、瀬戸市へ行き……を繰り返していましたし。PRする立場としては「こだわるのはわかるけれど、早く出来上がらないと発信できない」と焦ることもありましたが(苦笑)、おかげですごく良いものを作っていただきました。

まずはやってみる。前向きに取り組めば、時間がかかっても結果は出せる

森川さま:「何かやりましょう」という話になるまではよくあるのですが、なかなか実現しないし、結局進まないこともまたよくあることです。その時に双方が格好つけずに「この通りにやるのは無理だけど、こうすればできるんじゃないか?」と素直に話をして頼りあえることが、まずは大事じゃないかと思いますね。

松本さま:これまで、形にならなかった企画があったり、利益に関係なくアドバイスし合ったりすることを積み重ねてきた上での今回のイベントですからね。前向きなスタンスで取り組んでいれば、時間はかかっても何かできるんじゃないかと思っています。

森川さま:私たちは今後、また新たな商品開発に取り組んでいこうと考えています。この記事や今回の取り組みを見て、「共創できそうだ」と思った事業者さん、自治体の方がいらっしゃればぜひ声をかけてください。

松本さま:私たちも、まずは気軽に話をしにきてほしいですね。資料などの準備に時間をかけるよりも、まずは一回話してみることが大事だと思うので。それこそ「まいどまいど!」みたいな感じでいいんじゃないかと(笑)。

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まとめ

伝統産業を取り入れた斬新なプロダクトと、その魅力を伝えるイベントはどのように作られていったのか。取材する間にも、お2人の気さくな雰囲気の向こうに秘められた「熱意」が、確かに伝わってくるのが感じられました。
お2人からも「人と人をつなげることを重視してくれている」と言っていただいたSENQ、ぜひ一度内覧にいらしてください。

 (インタビュー:丸田カヨコ)

 

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