SENQコラボ企業対談 ~決め手は「人」と「情熱」。事業アイデアより、その先の「ゴール」へたどり着くこと~

インタビュー / 共創事例 / 入居者の声

SAC

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多種多様な企業が入居しているSENQでは、会員さま同士がいわゆる「ご近所さん」として親しくなるだけではなく、企業同士が本業分野でマッチングし、コラボレーションへと発展するケースが少なくありません。
この記事では、SENQで出会われた企業の代表者さま同士による対談をお送りします。リアルな情報交換の様子なども感じていただけるはずです!

ごく普通の取引関係を「事業共創」へ押し上げた「強い思い」

SENQ霞が関に入居されているAcroXHoldingsさまは、自動車業界や人材業界を経験された鍋島浩太さまが創業し、「観光と食」をテーマにコンサルティングを手掛けている会社です。

そしてAcroXHoldingsさま主催のイベント「一味同心」の第1回には、SENQのアライアンスコーディネーターであるNPO法人「農家のこせがれネットワーク」の代表 宮治勇輔さまが家業として手掛ける希少なブランド豚「みやじ豚」が登場。実はこの2人の出会いの場が、SENQだったのです。
イベントの詳細は、鍋島さまのインタビュー記事をご覧ください。
SENQから生まれた協業 AcroXHoldings×みやじ豚 ~生み手・作り手・食べ手をつなぐ奇跡のコラボ~

今回は、鍋島さまに加えて宮治さまも初登場、お2人での対談となりました。

宮治さま:株式会社みやじ豚は神奈川県藤沢市で小規模な養豚業を営んでいます。先代の父は地域の銘柄豚として出荷していましたが、私の代で「湘南みやじ豚」と名付けてブランド化し、主に飲食店へ納めつつ、個人のお客様向けのオンラインショップも展開しています。魅力を知っていただくためにBBQイベントも開催していて、好評いただいています。実は、SENQ六本木で先日開催されたビアガーデンでも「みやじ豚」を焼いて、みなさんに食べてもらいました。

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「みやじ豚」をご提供いただいたビアガーデンの模様。SENQ六本木のテラスで食べるお肉は格別だったとのこと!

宮治さま:NPO法人「農家のこせがれネットワーク」は、都心で働く「農家のこせがれ」を「農業はいいぞ!」とそそのかし(笑)、実家へ戻らせるというミッションで活動してきました。ただ、ひと昔前と違って農業に関するさまざまな情報も行き交うようになり、若い農業経営者も増えてきた今は、農業にとどまらない「事業承継」をテーマに、後継者のための「家業イノベーション・ラボ」を、NPO法人農家のこせがれネットワーク、NPO法人ETIC.、エヌエヌ生命保険株式会社との共同で運営しています。

官民共創を掲げているSENQ霞が関や、食をテーマにしているSENQ京橋は農業にも関心が高いということで、アライアンスコーディネーターにならないかと声をかけてもらいました。NPOもやりつつ頻繁に上京して……という私のような農家は珍しいですからね(笑)。

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鍋島さま:宮治さんとはSENQのイベントで初めて会いました。SENQのスタッフさんにご紹介いただいたのがきっかけでしたが、「農作物を売る側の人間として、生産者さんの抱える背景や事情を知りたい」と思ったんですよね。それで、みやじ豚の背景についていろいろ聞いて。

宮治さま:話してみると、手広く事業をやられていて、面白い人だなと。その場で「今度(AcroXHoldingsが経営している)おにぎり屋さんを見学させてください」とお願いして、後日お邪魔しました。
「事業共創」と言うとカッコいいですが、実際にやったことは「うちが生産して納入し、AcroXHoldingsさんは仕入れて、調理して販売した」という、ごく普通の取引関係なんですよ。ただ鍋島さんたちは、話をじっくり聞いて「どうしたらみやじ豚の良さを引き出せるか」、「どうしたら生産者について知ってもらえるか」まで私たちの思いやこだわりを汲み取ろうとしてくれる。だから「事業共創」になるし、うちも一緒にやってみたいと思えました。

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充実したコラボには「どんなコミュニティを選ぶか」も重要

宮治さま:イベント「一味同心」の調理を担当したシェフも熱意がありましたね。みやじ豚の餌(飼料)の内容まで細かく聞かれました。食にかける情熱が素晴らしく、そういう方に「みやじ豚」を扱ってもらいたかったので、うれしかったです。

鍋島さま:そこで「みやじ豚の餌には麦と芋を使っている」と聞いて、実際にサツマイモと組み合わせたメニューになったんですよ。メニューに、自然にストーリーが生まれたこともとても良かった。最近は召し上がる方も「食材が生産された背景を知っていることにも価値がある、そうすることでより美味しいものが食べられる」と気づき始めていることを感じます。

宮治さま:「生産者がどんな思いで作っているか」まで見られている。これまでの、ドーンと作って市場に出せばそれなりに売れる……という業界事情を考えると、売る側もあれこれ考えなければならない、工夫が必要な時代になったのかもしれません。

鍋島さま:「選ばれる」ための努力というか、差別化できる部分も必要になってきていますからね。そういう意味でコラボレーションは面白いですけど、コラボする相手も重要です。

宮治さま:そう。だからコラボのきっかけになる「コミュニティ」もすごく大事。今回AcroXHoldingsや鍋島さんとはSENQつながりで知り合えて、あらかじめ「SENQの会員になっている会社・人」という信頼があったので、やり取りが短縮できた。これが問い合わせフォームやマッチングイベントで「はじめまして」だと、もっとお互いを知るのに時間がかかるので。

鍋島さま:私も今、さまざまな事業をマッチングさせる仕事をしていますが、マッチングは相手のこと、自分たちのことをきちんと理解した上でないとうまくいかない。SENQには、会員同士の情報をどう共有し合うか、ニーズをどう拾うかを工夫して、さらにイベントなどにつなげてもらえれば、もっとマッチングの価値が高まるかなと。
例えば、いわゆる行政の仕事の仕方は民間企業とかなり感覚が違うので、イベントなどを通じてSENQがその間に入って、ギャップを埋めるような役目をしてくれたりすると、話が進みやすくなるんじゃないかと思いますね。

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儲かりそうな事業より「実現したいと思える事業」やパートナーを

鍋島さま:コラボの提案を受けるか受けないか、事業アイデアの見極めについて聞かれたりしますけど、意外とポイントは「人」や「情熱」だったりしますね。純粋に「ワクワクできる人」と組みたいし、そういう意味では儲かりそうな事業より「実現したいと思える事業」かどうか。そういうモチべーションで取り組む仕事だったら、すぐに結果が出なくても苦ではないし、夢中になれる。

宮治さま:情熱は大事だね。情熱のない人は、次の儲け話を見つけたらそっちへ行ってしまうから信頼しづらい。
実は、事業アイデアですらあまり気にしないこともある。だいたいの事業アイデアは、壁を乗り越えていくうちに変わっていくものだから。当初のアイデアに固執しすぎると行き詰まるし、情熱があればアイデアよりもその先にある「ゴール」がちゃんと見えている。だから信頼できるんですよ。

鍋島さま:自分は、情熱のない人に「儲かります」と事業提案をされても、前のめりになって聞けないことが多い気がしますね。

宮治さま:「社長の仕事は儲け話を断ること」と聞いたことがあって。確かに、経営者になるとたくさんそういう話がある中で、「どこで勝負するのか」を忘れちゃいけない。

鍋島さま:すごくいい言葉ですね。確かに、やりたいことからブレちゃいけない。自分自身いろいろな事業をやってきて、行っては戻り……で成長スピードが遅くなったと感じているんです。ひとつに集中してコツコツやり続けた方が、結果的に早かっただろうなと。だからこれからも継続してやることだと考えています。食材探しも、人とのつながりも。意気投合できる人とつながっていれば、同じような人が集まってシナジーが生まれる。

宮治さま:ちなみに、今気になっている食材はあるの?

鍋島さま:最近、梅干しが気になっています。

宮治さま:和歌山で代々紀州南高梅を生産していて、梅干しも作っている知り合いがいるから、今度紹介するよ。

鍋島さま:ぜひ!……と、まさにこんな感じでシナジーが生まれてくれれば。

宮治さま:養豚農家だけに、トントン拍子でね(一同笑)。

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まとめ

この後も、「おにぎり」のインバウンド需要が伸びている話、最近注目されている「試食専門店」の話、百貨店の催事の話……と、農業や食にまつわる興味深いトークが続いたこの日。取材班も思わず「お2人が自由に話すラジオ番組があったらぜひ聞きたいです」とリクエストしてしまいました。
そんなお2人も「面白い出会いがきっとある」と太鼓判を押すSENQ、ぜひ一度内覧にいらしてください。

 (インタビュー:丸田カヨコ)

 

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