飛び込み営業はもう古い!? アフターコロナは営業もIT化するべし

 2020.12.02  鈴木博子

新型コロナウイルスの影響を受け、従来の対面型営業の継続は難しくなっています。その代わりに広がっているのが、営業のIT化。DX(デジタルトランスフォーメーション)やITツールを活用し、直接、顧客と対面せずともスムーズに営業を進めていく手法が急速に拡大しています。これらはさまざまなツールを活用したり、複数の部署が協働したりすることで、作業を効率化することができ、成約率のアップにも貢献します。

しかしその一方、クリアしなければならない課題や、導入に当たって注意しなければならないこともたくさん。新型コロナウイルスの影響が長く続くことを見据え、企業の営業はどのように変わるべきか、具体的に考えてみましょう。

新時代の営業は「対面」よりも「オンライン」

営業にもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波

従来、営業を行う場合は、対面が基本でした。相手と直接会って会話をすれば、特に初対面の場合は距離感が縮まりますし、空気感を読みながら話を進めることが可能になります。

とはいえ、コロナ禍の現在では対面での営業は困難。対面で行う代わりに、非接触での営業方法を考案し、対面と同様の成果を出さなければなりません。

そこで現在注目されているのが、「営業のIT化」。DX(デジタルトランスフォーメーション)やインターネットを活用する「営業のIT化」を推進する企業が増えているのです。

経済産業省が公開するデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインによるとDXとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」です。

営業にあてはめると、セールステックを活用したり、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)、BI(ビジネスインテリジェンス)などを導入して営業業務の効率化をはかったりすることが挙げられます。

また、「営業のオンライン化」を行い、営業から成約・受注、契約まで、すべてWeb会議システムやオンライン商談ツールなどを利用してコミュニケーションをはかり、オンライン上で完結させてしまうことも挙げられます。

今の時期の導入が、ライバル企業に差をつける

「営業のIT化」を進めるには営業部員のIT活用スキルを高め、システムを使いこなせる人材へ育成していく新たなプログラムが必要になりますし、初期投資としてさまざまなプログラムを導入しなければならず、相応のイニシャルコストも計算しなければならないでしょう。

しかし長い目で見れば、今後、コロナ禍が長期化して、対面での営業が一切不可能となってしまった場合には、オンライン営業しか生き残る道がないということは簡単に予想できますし、その時点でオンライン営業を取り入れようと思ってもライバル企業に差をつけられているかもしれません。

現在、すでに多くの企業がオンライン営業を取り入れており、例えば、ビックカメラの都内一部店舗では、掃除機で知られるダイソンの販売コーナーに遠隔接客サービスを導入。販売コーナーやショーケースに顧客が近づくことを検知すると、遠隔からオペレーターが呼び込みをする、話しかけるなど、能動的な対応を行っています。

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「営業のIT化」がもたらすメリットとは?

時間と労力をカットしながら、市場を拡大

それでは、営業のIT化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に考えてみましょう。

1)顧客との距離を気にする必要がなくなり、市場を拡大できる

これまでは、顧客を訪問しなければならないなどの理由で、市場を本社や営業所の周辺に限定していた企業も多いと思います。

しかし、営業がIT化すれば顧客と直接会う必要がないため、顧客との距離を気にすることなく、市場を拡大できるのが最大のメリット。海外にも市場を拡大しやすくなります。

2)移動ロスがないため商談数を増やしやすい

1件ずつ、営業マンが顧客のもとを訪問していたこれまでと違って、営業がIT化すれば移動の時間を削除でき、その分を他の商談に当てることができます。

また、顧客に商談場所を確保してもらう必要もなくなりますし、スケジュール調整が容易になるため商談までのリードタイムを短縮できるというメリットもあります。

3)インサイドセールスと組み合わせて活用できる

インサイドセールスとは、見込み顧客と直接会わず、電話やEメールなど、主に遠隔で取り組む営業スタイル。「内勤営業」とも呼ばれます。近年ではインターネット環境の発達に伴い、インサイドセールスが増えています。

インサイドセールス導入のメリットは、毎回顧客のもとに訪問する必要がなくなるため、訪問のためのコストや時間をカットできること。さらにマーケティング部門と協働し、電話やEメールで見込み客を厳選するため、成約率がアップすることもインサイドセールスのメリットです。

コロナ時代、営業に求められる3つの要素

どれだけIT化が進んでも、営業に求められる本質は変わらない

このコロナ時代、企業の営業にも大きな変革が求められています。それでは、この後の営業職にはどのような要素が必要になるのでしょうか。大きく3つの要素が挙げられます。

(1)営業プロセスを“見える化”してマーケティングなど他部門との連携を強化する

特にインサイドセールスと組み合わせて営業のIT化を進める場合は、マーケティング部門との協働が不可欠です。

そのためには、現在の営業プロセスを“見える化”しておくことが必要。「見込み客(リード)獲得・リスト作成」「テレアポで顧客獲得」「商談」「クロージング」「成約」「アフターフォロー」というように一連の流れを可視化しておくことで、さまざまな部署の役割を明確化しておくと、連携がスムーズになります。

(2)営業だけでなく社内の事務作業も極力IT化し全社で効率化をはかる

営業のIT化を進めるうえで、便利なのがSFA(営業支援システム)。もともとこのシステムは1990年代、アメリカで開発されたものです。社内業務の効率化を進めるなかで、社外に出る営業担当者の業務も効率化するために作られました。

このシステムを導入することで、売上アップや顧客拡大、業務効率化による工数削減などが期待できます。そもそも社外とやり取りする営業部門だけIT化を進めても、社内の作業が従来のままでは会社全体としての作業は非効率。こうしたシステムを活用しながら、全社挙げて効率化をはかることが大事です。

(3)人間関係をベースにした従来の営業スタイルから、顧客の課題解決を目的としたソリューション営業へ変革する

営業マンは、「顧客の名刺をどれだけ持っているか」「顧客の顔をどれだけ覚えているか」が大事といわれたのは一昔前の話。

確かに商談をスムーズに進めるためには、顧客と良好な人間関係を築いておくことは大切です。しかし、顧客がなぜ新しいサービスやプロダクトを利用するのかといえば、それらが顧客の課題を解決してくれるから。

今後、直接顔を合わせない「営業のIT化」が進めば、こうした「ソリューション営業」に対するニーズはますます強くなるでしょう。つまり営業職には、顧客の課題を的確に見抜き、それに対する回答として、自社のサービスやプロダクトを適切に提案するスキルが求められるのです。

このように、コロナ時代の営業では、従来の対面式の営業とは異なる点がたくさんありますが、「営業に求められる本質的な役割は変わっていない」ということを忘れてはなりません。

「顧客にとって利益となるようなプロダクトやサービスを、誠意を持って提案する」ことが営業の本質であり、そこがブレてしまっては、どれだけ便利なITツールを活用しても、営業は成功しません。

コロナ禍においては、営業の本質を踏まえた活動と、ITの積極的な活用が欠かせないことをしっかり理解しておきましょう。

 

(ライター:鈴木博子)

 

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