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スタートアップ経営者が知っておくべき起業資金とチェックポイント

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スタートアップ経営者が知っておくべき起業資金とチェックポイント

起業にはどれぐらいの資金を準備すればいいのでしょうか。会社を円滑にスタートさせるためにも、立ち上げにかかる費用はできるだけ節約したいもの。そのためのコツと、起業にあたって念頭に入れておくべきポイントを紹介します。

起業する際の資金調達方法

いざ「起業したい」と思っても、先立つもの、すなわち「起業資金」が必要です。個人の貯金や知り合いからの借入でスタートするのか、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金に頼るのか。はたまた銀行などから融資を受けたり、創業補助金などの公的制度を活用するのか。資金を工面・調達する手段はさまざまです。

そもそも起業にあたってどれくらいの資金が必要なのでしょうか。この記事では頭を悩ませる経営者の卵の皆さん向けに、起業時の資金調達にかかるチェックポイントをまとめました。

起業にはいくら必要か

起業にあたって、どれほどの資金が必要となるのでしょうか。気になる方には、日本政策金融公庫総合研究所が毎年実施しているアンケートが参考になるでしょう。

2022年に発表されたアンケート結果によると、”開業費用の平均値は1,077万円、中央値は550万円”でした。ただし、同アンケートの「まとめ」にある通り、開業費用の分布をみると「500万円未満」の割合が4割、「200万円未満」も2割を超えるなど、近年では費用の減少が顕著になってきています。

しかし、こうした数字を鵜呑みにし、熟慮しないまま自分の資金計画に反映させることがないよう注意しましょう。というのも、それぞれの事業内容や起業時の規模によって必要となる費用が異なるためです。

起業の準備を進める際は「会社設立に必須となる費用」と「業種によって異なる運営費」に分けて考えるとよいでしょう。まずは「会社設立に必須となる費用」について見ていきます。

会社設立に必須となる費用とポイント

まず、設立できる会社の種類には「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4つがあります。ここでは、起業で一般的な「株式会社」「合同会社」について取り上げます。

株式会社を設立する場合

株式会社は、公証人役場での「定款認証」と法務局での「登記申請」を経て設立されますが、それぞれの手順で手数料がかかります。

まず、定款認証についてですが、令和4年1月1日より金額が更新されていますので注意しましょう。株式会社の手数料は、令和3年12月31日までは(認証一件につき)5万円でした。この額が令和4年1月1日以降は「資本金の額等」に応じて改められています。資本金の額等が100万円未満の場合は3万円、資本金の額等が100万円以上300万円未満の場合は4万円、それ以上の場合は5万円となります。

これに設立登記申請用の謄本1ページあたり、250円の請求手数料が加算されます(平均2,000円程度)。さらに書面による定款の場合は収入印紙代として4万円がかかりますが、電子定款の場合はこの費用はかかりません。定款認証手数料の改訂に関する詳細は日本公証人連合会のWebサイトをご確認ください。

次に、法務局での「登録申請」にあたっては登録免許税を納付します。以下の計算と条件のもと、収入印紙が必要です。

● 資本金×0.7%または15万円のどちらか高い額

これに登記事項証明書代(600円/1通)と印鑑証明書代(450円/1通)がかかります。

以上を総合すると、資本金額や電子定款にするかどうかで変わりますが、20万円〜25万円程度が必要となります。

合同会社を設立する場合

合同会社の場合は、株式会社と比較して少し条件が異なります。まず、合同会社は公証人役場での定款の承認が必要ないため、認証手数料が不要です。書面による定款であれば収入印紙代として4万円が必要ですが、株式会社と同様、電子定款にすればこれが不要となります。

また、法務局での「登記申請」にあたっては、以下の登録免許税を収入印紙で納付します。

● 資本金×0.7%または6万円のどちらか高い額

これに登記事項証明書代(600円/1通)と印鑑証明書代(450円/1通)がかかります。以上を総合すると、7万円程度が必要となります。登録免許税に関する詳細は国税庁のWebサイトをご確認ください。

このほか、印鑑などの作製費として数千円〜1万円程度を見込んでおくといいでしょう。株式会社であれ合同会社であれ、会社設立は自分でもできますが、専門家などに頼む場合はその手数料も必要です。

業種によって異なる運営費とポイント

前述の通り、会社形態などさまざまな条件によって起業時に必要な金額は異なります。しかし、いずれの場合も起業前に「創業計画書」(日本政策金融公庫)を入念に作成しておくことが重要です。練り込まれた事業計画がなければ、実際に必要な資金を割り出すことはできません。

また、顧客と競合について分析を行い、自社の強みにあわせてビジネスモデルを検討することも必要です。新たに事業を始める方々に向け、日本政策金融公庫から「創業の手引」、中小企業庁から「夢を実現する創業」などが公開されていますので、活用してみてはいかがでしょうか。

製造業、サービス業、IT関連業など業種によって考慮すべき運営費は異なります。自身を含めた創業メンバーに支払う人件費のほか、オフィスの賃料、宣伝・マーケティング費、電話やインターネットなどの通信費、パソコンやソフトウェアの購入費など、項目も多岐に渡るでしょう。日本政策金融公庫は特定の業種ごとに参考となる「創業ポイント集」も公開しているので、こちらをヒントに資金計画を考えるのがおすすめです。

(例)IT関連業で起業する場合(編集部作成)

  • 会社の設立費
  • 人件費(社員の数ヶ月分の給料)
  • パソコン・ソフトウェア購入費
  • 通信費(インターネット・携帯電話など)
  • 宣伝・マーケティング費(自社ウェブサイトの構築など)
  • 什器・備品購入費(オフィス家具、事務用品、名刺など)
  • オフィス賃料・保証金

スタートアップ企業が起業資金を節約するために

短期間での成長を目指すスタートアップ経営者にとって、起業にかかる費用はできる限り節約したいところ。会社設立費以外で負担が大きなものといえば固定費です。人件費やオフィス賃料などの固定費をうまく抑えられれば、経営の安定化への大きな一助となりますが、いきなり人件費の抑制策から考えるのではメンバーのモチベーションダウンにつながりかねません。そこで考えたいのがオフィスの賃料です。

近年、働き方の多様化にともない、オフィスの形態にもバリエーションが増えてきました。コワーキングスペースなど、一人から数十人規模の企業に対応できるサービスも一般的になっています。こうしたオフィスは起業段階の事業主にとってメリットが多く、人気です。その理由には「設備の充実」「ネットワークの広がり」「自宅利用では得られにくい、取引先からの信頼感」「人数の増減に対する柔軟性」「イニシャルコストの節約」などが挙げられます。事業の成長に応じて、フレキシブルな対応ができるコワーキングオフィスは、特に需要が高まっています。image

SENQでは、社員全員ではなく、必要なメンバーのみが利用できるオフィスがほしいというスタートアップ企業のニーズにお応えするため、費用を抑えてフレキシブルに利用ができる法人向けプランをご用意しています。追加料金なしで、六本木、青山、目黒などの都内5カ所の拠点を利用できるのもこの法人向けプランの特徴です。起業資金の節約に、コワーキングオフィスを検討してみてはいかがでしょうか。

※SENQのサービスについて、詳しくはこちらからご覧ください。

(Writer:Worker's Resort Editorial Team)

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