ウェルビーイングな働き方を実現できるコワーキングスペースとは
ウェルビーイングがいま、必要とされる理由
「ウェルビーイング(Well-being)」という概念は、健康を「身体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態」と定義づけた世界保健機関憲章から生まれました。世界保健機関憲章は1949年に発効されましたが、それから70年以上が経ち価値観も大きく変化したいま、改めてウェルビーイングに注目が集まっています。
例えば、近年重視されているダイバーシティの実現には、マイノリティを含むすべての人々のウェルビーイングが欠かせません。SDGs17のゴールのひとつにも「すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-Being)」と提唱されています。
2022年6月に株式会社UPDATERが企業の経営者を対象に行った意識調査では、6割以上の経営者がウェルビーイングの実現に取り組んでいると回答しています。また、2010年代後半からスタートした働き方改革の流れと近年のコロナ禍の影響により、働き方やライフスタイルは大きく変化し、企業に対して健康対策だけでなく私生活の充実や働きがいを求める声が以前より強くなっています。こうしたことから、ウェルビーイングの向上は企業経営における重要な要素となっているのです。
ウェルビーイングの5つの要素
ウェルビーイングの概念としてよく知られているものに、以下の「PERMA」と「ギャラップ社の5つの要素」があります。
PERMAとは
ポジティブ心理学の創設者・セリグマン博士が考案した概念で「持続的な幸福感」に関係する領域として、以下の5つを挙げています。この要素を意識することで、人々はウェルビーイングの実現に近づくことができるとされています。
- Positive emotion=嬉しい、楽しいなどのポジティブな感情
- Engagement=何かに夢中になる、没頭するなどの積極的な関わり
- Relationship=援助を受ける、与えるなどの他者とのよい関係
- Meaning=自分は何のために生きているのか、人生の意味の意識
- Accomplishment=何かをやり遂げたという達成感
ギャラップ社の5つの要素とは
一方、アメリカの調査会社であるギャラップ社が、世界的な調査結果から定義したウェルビーイングの実現に必要な5つの要素は以下の通りです。
- Career Well-being=毎日の仕事(育児、勉強などを含む)に満足している
- Social Well-being=良好な人間関係を持っている
- Financial Well-being= 経済的に安定している
- Physical Well-being= 心身ともに健康で、いきいき過ごせている
- Community Well-being=地域社会とつながっている実感がある
ギャラップ社は、このうちの1つでも欠けると幸せを感じることが難しいと説明しています。
ウェルビーイングな職場環境のつくり方
では、実際にウェルビーイングを実現する職場環境を整えるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、ソフト面、ハード面の2つに分けて取り組みを紹介します。
1.ソフト面の取り組み
- 長時間労働や過重労働の解消、フレックス勤務やリモートワークなどの柔軟な働き方の実現、有給休暇や男性の育児休暇取得の推進などを行い、労働環境を見直す
- 福利厚生を充実させてレジャー施設や宿泊施設などを手軽に利用できるようにし、仕事とプライベートのバランスを図って余暇活動の満足度を高める
- ハラスメントをなくし職場の人間関係の悩みを解消する、業務フローを見直して相談しやすい環境を整備する、上司との定期的な面談の機会を設けるなどして、コミュニケーションの円滑化を目指す
- ジムやフィットネスの利用推進、定期的なストレスチェックや産業医の面談を行い、従業員の心身の健康維持に取り組む
2.ハード面の取り組み
- リラックスして従業員同士がコミュニケーションできる休憩スペースや、ハラスメントなどの相談ができる窓口を設置する
- フリーアドレス制の導入や、座りっぱなしによる身体への負担を軽減するスタンディングデスクの設置などによって、デスク環境を見直す
- 自転車通勤がしやすくなるように自転車置き場を設置する、社内に簡単なジムを設置するなどして、従業員が体を動かしやすい環境を作る
- 社員食堂を設置している場合は、栄養面や健康に配慮したメニューへと見直す。社員食堂がない場合は、設置型社食サービスやオフィスコンビニなどを導入し、従業員が栄養管理をしやすいようにする
ウェルビーイングな働き方を実現できるコワーキングスペースとは
コロナ下で導入されたハイブリッドワークを、今後も継続する方針の企業は少なくありません。リモートワークの拠点として、コワーキングスペースの利用は今後も続くでしょう。そうした中、拠点選びにおいてもウェルビーイングの視点を取り入れ、従業員にとってより良い環境を選ぶことが大切です。ここではそのポイントを紹介します。
設備の充実度
Webミーティング用のブースやコピー機、個室や会議室の有無などの設備を確認します。メインオフィスと同様の環境が整ったコワーキングスペースを利用することで、業務以外で生じるストレスを減らし、作業に集中することができます。
休憩スペースの有無
ドリンクコーナーやラウンジの有無もチェックするとよいでしょう。長時間利用の場合にはリラックスして休憩できる場所があるかどうかも、ウェルビーイングな働き方を実現するうえで重要なポイントです。
健康への配慮
メインオフィスの代替として長期間にわたり利用する場合には、マインドフルネスやヨガなど、利用者の健康増進プログラムを用意しているコワーキングスペースを選べば、心身の健康維持はもちろん参加者同士のつながりも作りやすくなります。また、健康的な食事をとれる飲食店がある、フィットネスクラブにも通いやすいなど、従業員の健康に対するニーズを満たせる立地かどうかも確認しておくとよいでしょう。
コミュニティの有無
利用者同士のコミュニティを作れるようにしているかどうかもチェックポイントです。コワーキングスペースの中には、利用者同士で交流会を開いたり、イベントやワークショップを開催しスキルアップとコミュニケーションの機会を設けていたりするところがあります。利用者同士のつながりがリモートワークによる孤立化を防ぎ、ウェルビーイングの向上につながります。
ウェルビーイングを意識した拠点選びで従業員満足度をアップ
ウェルビーイングな働き方は従業員の満足度の向上につながり、離職率の低下や優秀な人材の確保といった効果も期待できます。コワーキングスペースを含む各サテライト拠点でもウェルビーイングな働き方を実現させることで、従業員エンゲージメント、企業の競争力向上につながるでしょう。
都内6か所に拠点を構えるコワーキングスペースSENQでは、サテライトオフィスとしてもご利用いただける快適な仕事環境をご用意しています。Webミーティング用のブースやさまざまなタイプのソロブースのほか、拠点によってはやテラス席などのよりリラックスできる個性的な空間があるのも特徴です。
また、コミュニティイベントのほか、ヨガなど心身を整えるイベントも適宜開催し、利用者のウェルビーイングも意識した運営を行っています。お得な法人向けプランもありますので、コワーキングスペースをお探しの場合はぜひお気軽にお問い合わせください。
(Writer:Worker's Resort Editorial Team)