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DEI / DIBとは?企業にもたらすメリットと実現のための取り組み

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DEI / DIBとは?企業にもたらすメリットと実現のための取り組み

近年広がりを見せる、多様性への取り組み

多様な人材の活用を基盤としたダイバーシティ経営が、今注目を集めています。その背景には、少子高齢化による労働人口の減少、価値観や働き方の多様化、ビジネスのグローバル化が進んでいることなどが挙げられます。

日本においては2018年にダイバーシティ2.0が策定され、経済産業省では、ダイバーシティ経営を「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義。その推進企業を表彰するなど後押しをしています。

また、今や企業経営においても外すことのできないテーマとなっているSDGsには「誰一人取り残さない」という理念が掲げられており、その17のゴールおよび169のターゲットの中には「遺伝的多様性」「文化多様性」「産業の多様化」といった文言が織り込まれています。

こうした社会変化を受け、性別、国籍、年齢、障がいの有無、そして働き方に対する個々のニーズに至るまで、多様な背景を持つ労働者が協調して働ける環境を構築することが企業には求められているのです。

DEI / DIBとはなにか

ダイバーシティ経営を考えるときによく聞く言葉に「DEI / DIB」が挙げられます。ここでは、この2つの言葉の意味や概念などについて説明します。

DEI(Diversity, Equity, and Inclusion)とは

DEIとはDiversity(ダイバーシティ)、Equity(エクイティ)、Inclusion(インクルージョン)の頭文字をとった言葉で、「多様性、公平性、包括性」を意味する言葉です。

ダイバーシティはそれぞれの人々が持つ多種多様なバックグラウンドを示しています。ダイバーシティには、人種、年齢、性別、国籍の違いや障害の有無などを指す「表層的ダイバーシティ」と、教育や収入、価値観などの表面的にはわかりにくい違いを指す「深層的ダイバーシティ」の2つがありますが、真のダイバーシティを目指すにはどちらも意識して取り組むことが必要です。

エクイティは「公平性」を意味します。平等を意味するEqualityと混同されやすいのですが、従業員のもつ背景を考慮せず、同じ機会や条件を与えることは平等であっても公平であるとは限りません。組織や企業は従業員一人ひとりの立場や生活環境などの多様性を考慮し、各々が抱えた不均衡を是正していく必要があります。エクイティの実現例として、小さな子どもがいる人に合わせた福利厚生の用意や、リモートワークで働く必要のある人が働きやすい制度の整備などが挙げられるでしょう。

インクルージョンは包括・包摂という意味で、全体をまとめる、包み込むことを示しています。企業においては、従業員それぞれが他者を認め、一体感を持って就業できている状態を指します。ダイバーシティとエクイティが確立されている組織が必ずしも帰属意識の高まるものになるとは限らないため、多様な個人や集団が尊重され、支援・評価される環境にすることがインクルージョンの目指すべきところといえます。

DIB(Diversity, Inclusion, and Belonging)とは

DIBは、Diversity(ダイバーシティ)、Inclusion(インクルージョン)、Belonging(ビロンギング)の頭文字をとったもので、「多様性、包括性、帰属意識」を意味する言葉です。

ダイバーシティとインクルージョンについては、先にDEIのパートで述べたとおりですが、ここにビロンギング、つまり組織への帰属意識が加わります。インクルージョンも帰属意識を含めた包括性を意味しますが、ビロンギングはさらに従業員一人ひとりが「自分の居場所はここにある」とコミュニティへの所属を心地よく感じられる状態を表します。単なる所属意識ではなく、「心理的安全性や信頼を感じている」ということが重要なのです。

障がいのある従業員がオフィスはバリアフリーに対応していて働きやすいけれど、同僚に心から歓迎されていない・信頼関係が築けていないと感じる場合、職場での居心地のよさや組織に対する安心感は得にくくなります。つまり、その職場は「包括性はあるものの、帰属意識は生まれにくい環境」であるため、改善が必要だといえます。

DEI / DIBがもたらすメリット

DEI / DIBの視点を取り入れて多様な人材が働きやすい環境を整えることには、以下のようなメリットがあります。

知見が広がり、アイデアの創出につながる

さまざまな国籍や経歴をもつ従業員が働きやすい環境を整えることで、異なる文化や価値観、知見を企業文化として取り入れることができます。その結果、従業員一人ひとりがより広い視野で物事を捉えられるようになり、新しいアイデアが生まれやすい環境が醸成されます。人材の多様性が確保されている組織では、ひとつの案を他の人が違う視点から検討し、さらに別の人が新しい企画に展開するなど、さまざまな異なる意見を取り入れて新しいものにつなげていくことを期待できます。

企業評価の向上、人材確保につながる

男性中心の文化が強い職場では育児休暇や介護休暇、時短制度などが利用しにくく、働きにくいと感じている女性が多いかもしれません。そうした環境を見直し、柔軟な働き方を採用することで、女性だけでなくすべての社員が働きやすい環境を整えることができます。結果として、人材採用における競争力の向上や離職の防止、さらには企業の社会的評価にもつながります。

DEI / DIBを実現するために必要な取り組み方法とは

DEI / DIBを促進・実現するにはどのような方法があるのでしょうか。取り組み方の一例を紹介します。

多様性や公平性の実現を阻んでいる問題点を洗い出す

まずは、アンケートの実施により問題点を洗い出します。公平性や働きやすさ、働きがい、心理的安全性などのDEI / DIBに関する設問を設け、従業員の現状を確認することで効果的に問題点を洗い出せます。会社側は従業員を公平に扱っている、公平に扱う制度や社風があると思っていても、従業員はそう思っていないことが少なくありません。

ゴール達成のための具体的な方針・目標・責任者を定める

問題点を洗い出したら、解決に向けての具体的な方針・目標そして責任者を決めます。例えば、性別による不公平感を持つ女性社員が多いようであれば、男女の区別なく活躍できる会社を目指すという方針のもと、5年後までに女性管理職の割合を5割増やすといった目標を立て、施策実行の責任者を決めます。

職場環境や諸制度の見直し

責任者が決まったら、職場環境や諸制度を見直していきます。男女ともに働きやすい職場を目指すのであれば、フレックスタイムやテレワーク等を導入し、育児や介護などをしながら働きやすい制度を整えることも必要でしょう。障がい者雇用を進める場合は、社内のバリアフリー化も不可欠です。あわせて、社内の評価制度の見直しも行います。特にエクイティを実現し、従業員の公平性を保つには、より公平な評価基準を設定することが必要です。

DEI/DIBに対する理解度を高める社内教育

職場の意識改革も不可欠です。従業員・管理職ともに定期的に研修を行うなどして、理解を深める機会を持ちましょう。管理職向けに、DEI/DIBに関する問題とそのマネジメント方法を学ぶ研修を行うのも一案です。昨今では、研修・コンサルティング企業からも、DEI/DIBに関するプログラムが数多く提供されています。

社内の意見を汲み取る仕組みづくり

制度を整え社内教育を行っても、人の意識が変わるのには時間がかかります。公平でない扱いを受けたと感じた人の意見を吸い上げ、改善につなげることも必要です。相談窓口を作る、上司との面談を通じて意見が言える仕組みを作るなどして、従業員の意見を集める努力を続けましょう。

DEI / DIBとは?企業にもたらすメリットと実現のための取り組み

DEI / DIBへの取り組みはますます重要に

ここまで見てきたように、DEI / DIBの促進・実現にはそれぞれの概念と趣旨を正しく理解したうえで、さまざまな施策を実行することが大切です。また、職場環境と社内意識の改革を同時に行う必要もあります。環境整備を促進し、社員が多様な意見に触れる機会を増やすなどして一歩ずつ進めていくといいでしょう。

ダイバーシティの視点から、多様な価値観や働き方を尊重するため、リモートワークの場としてコワーキングスペースを活用する企業も増えています。コワーキングスペースで開催される交流イベントなどを活用すれば、社外の多様な人材と出会い、幅広い価値観に触れることもできます。都内6カ所でコワーキングスペース・シェアオフィスを展開するSENQは、ベンチャー企業から大企業までさまざまな業種のワーカーに利用されており、利用者同士の交流を深めるさまざまなイベントを開催しているのが特徴です。法人向けのお得なプランも用意していますので、コワーキングスペースをお探しの際はお気軽にお問い合わせください。

※SENQのサービスについて、詳しくはこちらからご覧ください。

(Writer:Worker's Resort Editorial Team

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