コワーキングスペースとオフィスをどう使い分ける? withコロナ時代の働き方

 2020.08.31  鈴木博子

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今春、これまで未導入だった企業も、リモートワークという働き方を導入。これに伴い、会社員によるコワーキングスペースの利用が目立つようになりました。今後もこの傾向は強くなり、複数の企業が共同でオフィスを持つなど、新たな形のコワーキングスペースが登場すると思われます。

その一方で、業種によっては従来通りオフィスへ出社しなければならないというケースもありますし、オフィスにはコワーキングスペースにはない価値もあります。それでは今後、会社員は「コワーキングスペース」と「オフィス」をどう使い分けたら良いのでしょうか。それぞれの意義と価値を改めて考えるとともに、withコロナ時代の会社員としての働き方を探ります。

そもそも「出社」の意義とは?

会社をチームとして考えれば出社は有意義

新型コロナウイルスの影響により、政府主導のもと、リモートワークが推奨されています。緊急事態宣言が解除された後も、社員に対して出社を控えさせ、リモートワークを継続している企業も少なくありません。なかには今後もこうした勤務体制を続けるため、既存のオフィスを退去したり、縮小したりする企業も出始めています。

確かにオフィスを賃借している企業にとって、賃料は大きな固定費となります。リモートワークを継続することでその固定費を削減することができればプラスとなるでしょう。しかしその前に、「そもそも社員が出社することの意味は何か?」を考えることもなく、安易にリモートワークの継続に踏み切ることは危険です。「出社の意義」と「リモートワークの継続」を天秤にかけ、その企業にとってより良い体制を探らなければ、今後の作業効率や損益に大きな影響を与えるかもしれません。

では、出社することの意義とはなんでしょうか。いくつか挙げてみます。

(1)ビジョンやミッション、経営戦略を共有しやすくなる

企業が成長していくには、経営者や各部署のリーダーたちの思いを社員全体へ反映させ、共有する必要があります。これが一般的にいわれている「ビジョンマネジメント」。これにより、社員一人ひとりが主体性を持ち、自分で考えて行動できるようになるのです。

これには社員同士のコミュニケーションがとても重要。社員同士が直接の会話を通し、日々確認しあうことで、ビジョンやミッションがさらに浸透していくのです。

2)チームビルディングに効果的

会社にいれば他の社員と何気ない会話を交わす機会が多いでしょう。「最近の調子はどう?」という世間話から始まり、「いま、こんな問題を抱えている」「ここで行き詰まっている」など、悩みを互いに打ち明けあうこともあるはずです。こうして互いの状況を理解し、共に解決策を考えていく過程で信頼関係は醸成され、チームビルディングが進んでいきます。

3)バックエンドの部署(総務や経理など)が現場の問題を把握しやすくなる

総務や経理などの部署にとっては、ほかの部署の社員とのコミュニケーションがとても大切。こうしたコミュニケーションがなければ、目に見えない小さな問題は放置され、やがて組織自体を揺るがすような深刻な課題へつながってしまうこともあるでしょう。こうした意味では、リアルなコミュニケーションはさまざまな気付きを生みやすくなり、小さな課題の掘り起こしに効果的です。

4)新入社員のフォローがしやすい

企業に入社したばかりの新入社員は、先輩や上司の姿を間近に見ながら、仕事の仕方を学んでいきます。わからないことや悩むことがあれば、先輩や上司に尋ねることもできますし、先輩たちも新入社員のフォローがしやすいでしょう。こうして新入社員の成長が促され、独り立ちすることができるのです。

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「職住近接」から「職住一体」へ

ワークライフバランスの考え方そのものが変化

新型コロナウイルスが流行する前までは、「ワークライフバランスを大事にする」という観点から、「職住近接」が重要視されていました。これは文字通り、「職場」と「住居」が近い場所にあるということ。できる限り通勤時間を短縮し、自宅で過ごす時間を大事にしようという考えが、広く唱えられていました。

しかし、新型コロナの問題が発生し、リモートワークが推奨されるようになると、この状況が一変。「職住近接」どころか、職場と住居を一体化させる「職住一体」を選択する人が増え始めたのです。

自宅の一角をオフィス化する「家なかオフィス」はその一例です。また、勤め先がリモートワークへ切り替えたことをきっかけにして、家族ごと物価の安い地方へ移住したり、東京から自然の豊かな場所へ引越して余暇を楽しんだりする人も見られるようになっています。

もちろん、子どもに転校させられないなどの理由で引越しができない人は、リビングルームの一角にオフィス空間を作ったり、納戸にパソコン置き場を確保したりなど、さまざまに工夫をしてリモートワークに取り組んでいます。

つまり、新型コロナの問題により、日本人のワークライフバランスに対する考え方も少しずつ変化を余儀なくされているのです。職場と住居が一体となり、家族で過ごす時間が増えたことにより、自宅のあり方を再定義する必要が生まれました。

しかし同時に、リモートワークへ切り替えた人が、出社の意義を問い直すシーンも増えています。自宅で仕事を行うなかでは、「こうした業務は、出社してリアルなコミュニケーションのなかで行う方が効率が良かった」と感じることもあるでしょう。

すでに述べた通り、オフィスに出社することには相応の意義があります。今後、リモートワークが定着すれば、同時にオフィスそのものが持つ価値がますます問われるようになることは間違いなく、企業は「社員が使いやすいオフィス」「ここでしかできないことがあるオフィス」を改めて考え直すことが必要になるでしょう。

オフィスがリモートワークを補完する

今後は「リモート&オフィス」というハイブリッド型が一般化

それでは今後、企業で働く人たちにとって、理想的な働き方とはどのようなものでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況を考えれば、今後もリモートワークを推奨する企業が増える傾向が続くでしょう。製造業やサービス業など、一部の業態をのぞいて、可能な限り多くの人たちが「職住一体」という新しいスタイルを採用することになると思われます。

しかし、だからといってオフィスが消失することはなく、改めてオフィスの役割が見直される局面に差し掛かっているといえます。

リモートワークでは実現できないオフィスの価値としては、次のようなものが挙げられます。

多様で豊かなコミュニケーションを実現することで、1人では得られない気付き等により、仕事の成果につながる

自宅オフィスに比べ、設備が充実している(インターネット環境、コンピューター機器、備品など)

では今後はどのように、オフィスとリモート環境を使い分ければ良いのでしょうか。

今後、日本では、「通常勤務は在宅勤務もしくはリモートワークで通勤レスに」「チームビルディングを目的に、週に12回は出社して顔をあわせてミーティングをする」という働き方がトレンドになると予測されます。

すなわち、「リモートorオフィス」ではなく「リモートandオフィス」というハイブリッドな働き方が定番になり、「リモートではできないことをオフィスでする」というように、オフィスがリモートワークを補完する存在になります。

また意識的にも変化が見られ、一人ひとりの社員が、「オフィスに全員が集まる意味とは何か」「出社することでどんな体験ができるか」など、体験する場としてのオフィスに高い関心を持つようになるでしょう。

その一方で、各企業は「自社のオフィスにはどのような機能が必要か?」「サイズはどれくらいが適切か?」「立地やアクセスは?」など、オフィスのあり方を見直すことが迫られるでしょう。

 

(ライター:鈴木 博子)

 

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