スタートアップ企業こそ補助金・助成金を!【後編】2020年度の傾向をつかもう

 2020.03.30  丸田カヨコ

補助金制度や助成金制度を利用したいと思っていても、毎年制度が変わったりして、自社の事業に合う補助金・助成金を調べるのが大変そうだと及び腰になっている人も多いのではないでしょうか。

そこで、補助金・助成金のここ数年の傾向や、2020年度の予想について、SENQアライアンスパートナーであり、補助金・助成金申請のサポートを行っている株式会社ライトアップの杉山宏樹さんに聞いてみました。

<スタートアップ企業こそ補助金・助成金!【前編】そもそも補助金・助成金とは?>はこちら

補助金・助成金制度の定石とトレンドをよむ

国はどんな分野にいつ補助金・助成金を出しているのか

杉山:補助金・助成金の制度は毎年のように変わっていきますが、どういった分野に補助金・助成金が出るかということは、傾向がはっきりしているので意外と予測しやすいです。補助金も助成金も目的は「社会課題解決のため」なので、その時期に重視されている社会課題を見ていけばいい。

補助金・助成金の情報が出てくるのは主に4月ですが、2月初め頃には各省庁がほしい予算とその用途を示す「概算要求」が行われます。例えば、助成金を実施している厚生労働省が2020年度分として出した概算要求では、働き方改革に関する予算が増えている。つまり、働き方改革に関する助成金も増えるだろう……と予測されます。

ここ数年の重要なテーマは「人手不足」

杉山:働き方改革関連の予算が増えていることにも関連しますが、ここ数年ずっと重視されているのが「人手不足」への対応です。育児休暇取得や残業削減の取り組みに関する助成金、テレワークに関する助成金などは引き続き実施されるのではないかと思います。

中でも、スタートアップ企業にチェックしてほしいのが、「IT導入補助金」や「時間外労働等改善助成金」などIT化やアウトソース化などで業務効率化するための助成金活用です。少人数の企業が、IT化やアウトソース化で20人分ぐらいのパフォーマンスを出すようにする、そういった人手を代替するような投資への助成金は、2020年度もおそらく重視されると思います。

従業員を増やして固定費を急に上げるのはリスクが高いので、代わりに助成金を活用してIT投資をするということも考えてみてはいかがでしょうか。

「人材採用」に関する助成金は毎年の定番

杉山:一方、国としては「働く人を増やしたい」「雇用を安定させたい」という側面があるので、これまで注力されてきた「人材採用」に関する助成金も引き続き重視されていくと思います。

正社員採用はもちろん、アルバイト採用でも、「キャリアップ助成金」を活用すると助成金の対象になることがあります。ただし、被扶養者、例えば学生をインターンの代わりにアルバイトとして雇用するといったケースは、基本的に対象になりません。

2020年も引き続き実施される可能性大!2019年度新設された採用系助成金に注目

働き方改革に取り組む上で、人材を確保することが必要な中小企業の正社員採用に対する助成金

2019年度に新設された助成金で注目されたのが「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」。残業時間が所定の時間数より少ないなどの要件を満たす企業を対象に、正社員の純増人数×60万円(短時間労働の場合は40万円、上限600万円)を支給するというものです。
「人材採用」に関する従来の助成金の定番は「アルバイトを正社員登用した場合に対象となる」助成金で、正社員としての新規採用に支給される助成金はありませんでした。今まさに事業を成長させていて、急ぎ新規採用を考えている企業には、「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」はぴったりの助成金であるといえるでしょう。

パパの育休は短期間でも助成対象に

両立支援等助成金の、育休取得を対象とする「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)」は、2019年度より男性社員が最短5日間(大企業の場合は14日間)の育休を取得することを要件としており、1カ月や2カ月といった長期取得が前提ではありません。
これはもちろん育休を短期化したいから日数が減ったのではなくて、今までまったく育休を取れなかった人が取りやすくなるように改定されたのでしょう。

教育関係は「研修を受けるための有休付与」も対象に

教育系の定番の助成金といえば、研修費用の一部が助成される「キャリア形成促進助成金」ですが、ここ数年は、「人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース)」も注目されています。就業規則または労働協約に有給教育訓練休暇制度を導入し、社員が当該休暇を取得して研修を受けた場合に30万円の助成額が支給されるというものです。費用だけでなく制度の面からも、社員のスキルアップを応援しようということですね。

補助金・助成金ともにIT投資は引き続き重視されそう

IT投資は事業拡大にも労務改善にも資する

IT投資に関する助成金制度は、従来は多くなかったのですが、近年増えています。補助金を実施している経産省も、助成金を実施している厚労省も、どちらも人手不足対策と労働生産性向上を喫緊の課題とし、解決策としての「IT化」に力を入れているようです。

両者の違いとしては「経産省は補助金で業績が伸びるIT投資を応援する」、「厚労省は助成金で労働者の負担を減らすIT投資を応援する」といったところでしょうか。いずれにしても、IT投資に関する補助金・助成金は引き続き重視されていくと思います。

(ライター:丸田カヨコ)

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