リモートワーク導入時の留意点とは?
「リモートワークとは?そのメリットについて考えてみる」では、リモートワークとはどのような働き方か、そしてリモートワークの導入メリットは何かについて説明しました。近年、日本でもリモートワークを導入する企業が徐々に増えていますが、世界のビジネスパーソンと比較すると、導入率は低い水準にあるようです。
様々な指標がありますが、総務省が公表している「情報通信白書平成30年度版」によると、2017年の日本企業のリモートワーク導入率は13.9%であり、10社に1社以上の企業がリモートワークを導入しているという水準になります。導入企業の内訳を形態別の割合で見てみると、在宅勤務の導入率は 29.9%、モバイルワークの導入率は 56.4%、サテライトオフィスの導入率は 12.1%です(※)。
日本企業は、個々の労働生産性よりもコミュニティの形成や組織への貢献度を重視する傾向があり、かつ社内ルールの整備やIT活用が進みづらいなどの事情もあることから、リモートワーク導入率が世界に比べて低くなっていると考えられます。
しかしながら、近年では、大企業を中心にリモートワークに取り組む企業が増えてきているため、今後日本でも、一層リモートワークの導入が進むのではないでしょうか。
今回は、これからリモートワークを導入しようという企業に向けて、リモートワーク導入時の留意点を説明します。
※「情報通信白書平成30年度版」(総務省)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/
リモートワークの種類
まず最初に、リモートワークの種類を整理していきましょう。
ハイブリットタイプ
例えば、一週間のうちに一日をリモートワークとするなど、勤務時間のうち、オフィスで働く日または時間とオフィス以外で働く日または時間を設定する、リモートワークとオフィスワークのハイブリットのリモートワークです。企業にとって導入しやすい働き方のため、ハイブリットタイプは現在日本国内で最も利用が多いリモートワークです。フルタイムタイプ
オフィスでの勤務時間を設定せず、在宅やサテライトオフィスなど、オフィス以外の場所において完全リモートワークで働くタイプです。決められたオフィスに出勤する必要がないため、このタイプのワーカーは通勤時間を大幅に削減させることが出来ます。テンポラリータイプ
育児や介護などの理由により、一時的にオフィスでの勤務が難しい場合に、その期間のリモートでの勤務を許可する働き方です。
リモートワークが持つ課題
リモートワークを適切に導入することでメリットを享受できることは確かですが、リモートワークには課題もあります。ここではその課題を整理します。
コミュニケーション量の減少
りモートワーカーは、オフィスでの勤務時間が少ないため、他のオフィスワーカーとのコミュニケーション量が減るという懸念があります。オフィスでの何気ない会話の中からアイディアが生まれたり、周囲の人との関係性が深まることもあるため、コミュニケーション量が減るのは1つの課題と言えます。一方で、生産性については、不要な会議や雑談が減ることにより、集中して業務に取り組めることから、コミュニケーション量が減ることでかえって生産性が向上するというケースもあります。状況把握
同じオフィスで仕事をしていれば、お互いの状況を確認して業務量を調整できますが、リモートワーカーとオフィスワーカーとでは、互いの業務の進捗把握が把握しにくいという懸念があります。顔を合わせないと、仕事の進捗状況だけではなく、お互いの健康状態や精神状態も分かりにくくなるため、これらをどう管理するかは重要です。
教育実施の機会の減少
社内勉強会やセミナー、研修などを積極的に開催している企業にとっては、これらへのリモートワーカーの参加率が低下するため、教育の実施機会が減ることになります。適切な教育が実施できないと業務に影響を与えることもあるので、これも課題と言えます。
セキュリティリスク
オフィス内であれば、ロッカーやキャビネットの施錠、パソコンの持ち出し禁止などを徹底することにより書類や情報の管理を行うことが出来ます。一方、オフィス以外の場所で仕事を行う場合、端末や書類の管理が適切に行われないことにより、データ紛失や漏洩リスクが増大する可能性もあリます。
人事評価
物理的に離れた場所で業務を行っているため、リモートワーカーに既存の人事評価制度をそのまま適用することは難しいでしょう。例えば、勤務状況が把握出来にくいため成果物のみで判断するとした場合、適切な人事評価が行えない可能性もあります。
リモートワーク課題の解決策
リモートワークを適切に導入するためには、上述した課題をクリアしていかなければなりません。そこで課題の解決策についてご紹介します。
コミュニケーション構築の方法を整備する
コミュニケーション量が減少することを必ずしもネガティブに捉える必要はありません。前述のようにコミュニケーション量が減少することで、かえって生産性が向上するケースも少なくありません。インベーションが生まれづらくなる状況を回避するため、Web会議システムや社内SNSなどのツールの導入、ツールを利用した対面コミュニケーション実施時間の設定など、リモートワーカーとオフィスワーカーのコミュニケーション構築の方法を整備しましょう。
定期的にオフィスワークを実施する
リモートワーカーの業務進捗や健康状態の把握については、定期的にオフィスワークを実施することで解決できます。ワーカーのタイプに応じて、例えば週1日から2週間に1日程度、上司や同僚と話をする時間をつくることでリモートワーカーの現状を把握しましょう。
オンライン教育を実施する
リモートワークを導入することでセキュリティリスクが増加することは確かです。そのため、リモートワークの導入に合わせて、セキュリティポリシーを改訂したり、セキュリティシステムなどの導入により端末紛失・盗難時の情報漏洩や不正利用への対策を実施したり、安心して利用できるクラウドサービスを導入したりすることでセキュリティを強化しましょう。
セキュリティを強化する
リモートワークを導入することでセキュリティリスクが増加することは確かです。そのため、リモートワークの導入に合わせて、セキュリティポリシーを改訂したり、セキュリティシステムなどの導入により端末紛失・盗難時の情報漏洩や不正利用への対策を実施したり、安心して利用できるクラウドサービスを導入したりすることでセキュリティを強化しましょう。
リモートワーカー専用の評価基準を作る
従来の人事評価制度がリモートワークにフィットしないケースが多々あるため、リモートワーク導入にあたっては新しい人事評価制度を作ることが大切です。その際は、オフィスワークとリモートワークの違いを十分に理解した上で、適切な評価基準を作成しましょう。
リモートワークはSENQ(センク)で!
リモートワークを導入する際にぜひ検討していただきたいのが、新しいコンセプトのワーキングスペースである「SENQ」の利用です。
SENQは、京橋、青山、霞が関に、それぞれコンセプトの異なるオフィススペースを提供しており、企業に所属するワーカーからフリーランスまで、多様な業界の先駆者が働いています。
SENQのワーカーの中には、SENQをリモートワークのオフィスとして利用しているケースも少なくありません。SENQには、マネージャーやパートナーがおり、ビジネスマッチングやメンタリング、イベント開催などを通じて、会員の方のビジネスをサポートしています。
リモートワーク導入時はぜひSENQのご利用をご検討ください。