なぜ今、オープンイノベーションなのか?その必要性とメリットについて

 2019.02.12  SENQ

これまでも、「オープンイノベーションとは?」「オープンイノベーションのよくある課題と解決方法」オープンイノベーション事例から学ぶ協業パートナーの重要性」の中で、オープンイノベーションについて説明してきました。

今回は、オープンイノベーションへの理解をより深めていただくために、オープンイノベーションとは異なるアプローチのイノベーション方法論である、クローズドイノベーション、リバースイノベーションとの比較、およびオープンイノベーションの必要性とメリットをご紹介します。

オープンイノベーション、クローズドイノベーション、リバースイノベーション、それぞれの違い

オープンイノベーション

オープンイノベーションは、2000年代の初め、米ハーバードビジネススクールのヘンリー・チェスブロウ博士により提唱されたイノベーションに関する概念の一つです。その概要は次の通りです。 

他企業、大学、地方自治体、社会起業家など、自社とは異なる業種や分野の持つ、技術やアイデア、サービス、ノウハウ、データ、知識などを組み合わせることで、革新的なビジネスモデル、製品、サービス、研究結果、組織改革、地域活性化、ソーシャルイノベーション等につなげる、イノベーションの方法論である。 

つまり、インベーションを社内資源(リソース)だけで完結させるのではなく、社外から資源やアイディアを積極的に取り入れることで、今までに無い新しい技術、製品、サービスを開発することや、ビジネスに対する捉え方・切り口に革新を起こすことで、経営スピードを向上させたり、より高い成長を目指すものが、オープンイノベーションです。

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クローズドイノベーション

オープンイノベーションの対義語として挙げられるのが、クローズドイノベーションです。
クローズドイノベーションとは、自社でアイデアを発展させ、マーケティングを行い、新製品を開発・販売し、ファイナンスしなければならないという考え方に基づいた、閉じられた環境の中でイノベーションを起こす方法論であり、社内資源だけを頼りに画期的な製品やサービスを開発する取り組みです。

日本企業も長らくクローズドイノベーションによって成長してきました。

クローズドイノベーションでは、企業の中で生まれたアイデアは、企業の中から抜けでることなく商品化されてマーケットに展開されるため、競合優位性の高い技術の独占や秘匿が可能になり、利益は全て自社に還元されるというメリットがあります。しかしながら、研究開発から製品提供までを自社で完結させる場合、莫大な時間とコストがかかります。

新製品がマーケットに出るまでの期間が短く、且つ新製品の寿命も短い現代ビジネスにおいては、自社だけで完結するクローズドイノベーションのアプローチは効果的なプロセスとは言えなくなってきており、オープンイノベーションを取り入れる企業が増えてきています。

リバースイノベーション

オープンイノベーションと並び有用性が高いと注目されているのが、リバースイノベーションです。リバースイノベーションは、新興国や発展途上国に研究開発機関を設け、現地のニーズやアイデアから生まれた新しい技術、製品、サービスを先進国に流通および展開するイノベーションの一種です。

これまで主流であった、先進国で開発した製品やサービスを新興国や発展途上国へとローカライズして流通及び展開するグローカリゼーションとはイノベーションの流れが逆になることから、リバースイノベーションと呼ばれています。

グローカリゼーションを進める中で、先進国で開発された製品がそのまま新興国の求める機能にマッチしている訳ではないことが確認されました。一方、先進国が新興国の異なる発想・手法を取り入れることは、新しい価値の創出につながるとの認知が高まり、リバースイノベーションはグローバル経営における革新的な経営戦略として注目されています。

外部よりアイデアや技術などを取り入れるという点では、リバースイノベーションはオープンイノベーションとも共通しています。

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オープンイノベーションの必要性

なぜ今オープンイノベーションが求められているのか?これを理解しないまま取り組みを開始しても、有効的なイノベーションを起こすことはできないでしょう。必要性が増している理由には、「オープンイノベーション事例から学ぶ「協業パートナー」の重要性」にも記載した、「プロダクトサイクルの短期化」、「消費者ニーズの多様化」、「誰でも新規にサービスや事業を立ち上げやすい環境」の3つが挙げられます。

プロダクトサイクルの短期化

近年のIT分野における技術革新により、新しい製品やサービスが次々と生まれています。そのため、世界的に市場競争の激化が起こっており、長年高いシェアを確保してきた大企業・老舗企業でも、明日はどうなるか分からないという状況です。

たとえば「Dollar Shave Club」というサービスをご存知でしょうか?「Dollar Shave Club」は、月1ドルから定期的にカミソリを届けるサービスです。カミソリ市場ではGilletteやShickといった大手企業が世界的に市場を占有している中、「Dollar Shave Club」は数年で数百万人の会員を獲得することに成功したため、世界的な寡占市場にユニークな戦略で挑んだサービスとして話題を集めました。

「Dollar Shave Club」が起こした大きなイノベーションは、カミソリ市場はもちろん、世界中のベンチャー企業やスタートアップに衝撃を与え、最終的にはUnileverという大手企業に10億ドルという破格の金額で買収されました。

あらゆる市場で斬新な製品やサービスが登場し、プロダクトサイクルが非常に短期化しています。そのため、企業には研究開発から製品化までの迅速化が求められており、オープンイノベーションにより新しい技術や新しい手法を短期間で吸収することで、プロダクトサイクル短期化へと対応しています。

消費者ニーズの多様化

消費者ニーズの多様化は、皆さんも日々肌で感じていることでしょう。インターネットやスマートフォンの普及がもたらしたインパクトは大きく、消費者の購買行動を完全にデジタル化してしまいました。これに加えて、日本市場の成熟や多数製品のコモディティ化により、消費者の価値観が多様化したことで、パーソナライズされた製品やサービスが強く求められるようになったのです。

誰でも新規にサービスや事業を立ち上げやすい環境

ベンチャー企業が台頭してきて、企業で開発に従事してきた研究者やエンジニアにとって、企業での開発が商品化に向けて適切に進捗しない場合には自らがベンチャー企業を立ち上げる、またはベンチャー企業に転職して商品化をするという選択肢が出来ました。このことは、従来の企業の閉鎖的な研究開発プロセスに風穴を開けました。
このように、企業は従来のプロセスでは思うような利益を得ることができなくなり、企業内部と外部の技術やアイデアを結合させて価値を創造する「オープンイノベーション」が必要なのです。

オープンイノベーションのメリット

新しい技術、新しい考え方を効率よく吸収する

オープンイノベーションは、外部資源を最大限活用することで、今まで自社になかった技術や考え方を効率良く吸収することができます。クローズドイノベーションだけでは、企業の利己的な考えに基づき製品やサービスを提供してしまう可能性もあるため、オープンイノベーションにより客観的視点が吸収できることもメリットです。

企業の強みと弱みを整理できる

外部資源を積極的に活用することで、企業の強みと弱みを改めて整理できます。その上で、強みを伸ばすか、弱みを改善するか、という戦略的な判断が可能になります。

多様化する消費者ニーズを把握する

前述のように消費者ニーズは日々多様化していますし、今後もそれは継続します。常に変化する消費者ニーズを捉えて都度最適な製品やサービスを導入することは難しい課題です。オープンイノベーションにより、外部からあらゆる情報を取り込めば、多様化する消費者ニーズを的確に捉えて、ビジネスの最適化を図ることができます。

SENQの取り組み

SENQ(センク)は、ベンチャー・スタートアップ・企業内イノベーター・経営者・クリエイター・エンジニア・大学・研究機関・地方公共団体等、多様な業界から日本を動かす先駆者が集まり、オープンイノベーションを加速させる協業と共創の場です。

拠点毎に地域性に応じたテーマを設け、テーマの異なる拠点間で異業種のマッチングを行います。さらにはメンターとアライアンスパートナーが事業成長と課題解決等を支援し、革新的なオープンイノベーションを生み出すコワーキングスペースです。

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